ホテルや病室などの有線LANしか使えない場所でも、ポータブルWi-Fiルーターがあれば簡単にWi-Fi環境を構築することができます。
ホテルの有線LANを無線化できる「ポータブルWi-Fiルーター」
ホテルや旅館など、インターネット接続が可能な宿泊施設が増えています。しかし、「有線LAN接続のみ対応」という施設も少なくありません。
「インターネットが使えるから」という理由で予約したホテルで、いざ部屋に入るとスマホやタブレットを接続できない、というトラブルに出くわすこともあるかもしれません。
そんなときに役立つのが、「ポータブルWi-Fiルーター」です。ホテルの有線LANポート(端子)と接続するだけで、簡単にWi-Fi環境を構築することができます。
「モバイルWi-Fiルーター」と「ポータブルWi-Fiルーター」との違いは?
ポータブルWi-Fiルーターと似たものに、「モバイルWi-Fiルーター」があります。これらの違いは何でしょうか。
モバイルWi-Fiルーターは、WiMAXや4G/LTEなどの回線契約が必要で、これらの基地局と電波の送受信をするための機器です。
一方のポータブルWi-Fiルーターは、ホテルなどが用意したインターネット回線を利用するため、契約不要でインターネットに接続することができます。
ポータブルWi-Fiルーター(ホテルルーター)の使い方
ここで、ホテルの有線LANとスマートフォンをWi-Fi接続する例を考えてみます。主な手順は次の通りです。
- [ホテルのLAN端子]と[ポータブルWi-Fiルーター]を有線接続する
- [ポータブルWi-Fiルーター]に給電する
- [ポータブルWi-Fiルーター]と[スマートフォン]を無線接続する
手順1:[ホテルのLAN端子]と[ポータブルWi-Fiルーター]を有線接続する
[ホテルのLAN端子]と[ポータブルWi-Fiルーター]を接続するには、LANケーブルを利用します。
LANケーブルは、ホテル側で用意されているのが一般的ですが、持ち込みが必要な場合もあるかもしれません。事前に確認しておくことをおすすめします。
手順2:[ポータブルWi-Fiルーター]に給電する
一般的に、[ポータブルWi-Fiルーター]はバッテリーを内蔵していません。給電には、USBケーブルやACアダプターを利用します。これらはルーターに付属しているので、別途用意する必要はありません。
USBケーブルを用いて給電するには、パソコンなどの[USBポート(端子)]やスマートフォンなどの充電に用いる[USB電源アダプター]に接続します。ACアダプターによる給電は、ホテル客室のコンセントに挿すだけです。
手順3:[ポータブルWi-Fiルーター]と[スマートフォン]を無線接続する
[スマートフォン]のWi-Fi設定画面を開きます。[ポータブルWi-Fiルーター]のSSIDを選択し、暗号化キーを入力すると、無線でインターネットに接続することができます。
ルーターの機種によっては、「WPS」などの簡易接続機能や専用アプリを利用できるものもあります。
ホテルルーター購入前の注意点
注意点①
Wi-Fiの通信規格
ホテルルーター購入前に注意しておきたいのが、Wi-Fiの通信規格です。
ホテルルーターに接続しようとしている子機(スマートフォン、タブレット、ゲーム機など)が、どの通信規格に対応しているのかを把握し、その規格に対応するルーターを選びましょう。
注意点②
子機が利用する周波数帯
さらに、子機が通信に利用する周波数帯も要チェックです。
例えば、ニンテンドー3DS(ゲーム機)が対応する通信規格は「IEEE802.11b/g」であり、2.4GHz帯のみを利用します。一方、最新のiPhone(スマートフォン)は2.4GHz帯・5GHz帯の両方に対応します。
このように、2.4GHz帯しか使えない端末と、できれば5GHz帯を使用したい端末を同時に接続する場合は注意が必要です。なぜなら、ホテルルーターの機種によっては、2.4GHz帯と5GHz帯を同時接続できないものもあるからです。
おすすめのホテルルーター
ここでは、次の条件に合う2種類のホテルルーターを紹介します。
- 高速「11ac」対応で、お手頃価格
- コンセント直挿し型で給電ケーブル・アダプタ不要
高速「11ac」対応で、お手頃価格のホテルルーター
バッファロー製のWMR-433W2がおすすめです。
軽量(19グラム)で持ち運びに最適です。また、およそ1,800円(2020年4月10日時点、税込み)という低価格も魅力です。給電用のUSBケーブルやLANケーブルが付属しています。
コンセント直挿し型で給電ケーブル・アダプタ不要
PLANEX製のちびファイ3(MZK-DP150N)がおすすめです。
コンセント直挿し型なので、「給電ケーブルや電源アダプタを忘れてしまって、Wi-Fiが使えない!」という心配もありません。Google HomeやAmazon Echoなどのスマートスピーカーにも対応しています。