Wi-Fiには、「11ac」「11n」などの規格が定められています。その規格ごとに、どの周波数帯域を使用するかが決められています。

Wi-Fiの規格について、くわしくは11ac・11nとは ~Wi-Fiの通信規格~をご覧ください。

Wi-Fiで利用される周波数帯域

Wi-Fiは、無線で通信するために「電波」が使われています。Wi-Fiで利用される電波には、2種類の「周波数帯域」があります。それが、「2.4G」と「5G」です。

周波数帯域とは、電波の周波数の範囲を表します。この範囲が広いほど、一度にたくさんのデータをやりとりできます。「周波数帯」や「帯域」などとも呼ばれます。

「2.4GHz帯」の特徴

2.4G帯は、ほとんどのWi-Fi機器で利用できる帯域です。下の図は、2.4G帯で使用される「チャネル(チャンネル)」を表しています。チャネル(チャンネル)とは、通信に使われる電波の領域を細分化したものです。Wi-Fiで通信する機器どうしでチャネルを合わせる必要があります。

2.4G帯でのチャネルの重なり
2.4G帯でのチャネルの重なり

これを見ると、各チャネルが重なる部分があることが分かります。そのため、複数のWi-Fi機器を利用すると電波干渉を起こして通信が不安定になる可能性が高くなるのです。この問題を避ける(使用チャネルが重ならないようにする)には、たとえば「1,6,11」チャネルを各機器の通信に利用するなどの対応が必要です。

Wi-Fiルーターの機種によっては、再起動することで自動的に最適なチャネルに設定変更できるものがあります。再起動については、Wi-Fiルーターを再起動する方法をご覧ください。

さらに、Wi-Fiには関係のない電子レンジやコードレス電話などが発する電波も「2.4G帯」が使われているため、よけいに電波干渉が起こりやすくなってしまいます。

「5GHz帯」の特徴

5GHz帯は、Wi-Fiの規格「11a/n/ac」で利用できる帯域です。5GHz帯で使用されるチャネルも図にしてみました。

5GHz帯はチャネルが重ならない
5GHz帯はチャネルが重ならない

これを見ると、各チャネルが重なっていないことが分かります。また、5GHz帯の電波はWi-Fiに無関係な他の家電などではほとんど利用されていないため、電波干渉が起こりにくいのです。

さらに、5GHz帯では隣り合う複数のチャネルを束ねて利用できるため、高速な通信が期待できます。なぜなら、冒頭でも書いたように、『周波数帯域(電波の周波数の範囲)が広いほど、一度にたくさんのデータをやりとりできる』からです。

ただ、5GHz帯にも欠点はあります。それは、壁や床などの障害物に弱いこと。たとえば、鉄筋コンクリート造りの家屋でいくつかの部屋を隔てる場合などは、電波が届きにくいかもしれません。


いずれにしても、2.4GHz帯に比べて5GHz帯のほうが高速で安定した通信が期待できます。ただ、状況に応じた使い分けも必要です。

両方の周波数帯域が使える機器でWi-Fiを利用する際には、まず5GHz帯で接続してみて、思わしくないなら2.4GHz帯に切り替えるなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。